桜は、行く。そして来年を。
そう、
確かに
桜は行った。
風に乗り彼方まで。
きみと
歩くこの道はもうすぐ
12年。
初めて見る桜の花びらを
食べなきゃならないものだと
食べてしまい、怒られるきみ。
桜で満開よりも
たくさんの人がいることが
嬉しくて興奮するきみ。
小さかったね、
体じゃなくて、
色々、無邪気な。
今、
きみは
目も耳も弱っている。
背骨も曲がり
内蔵も経過観察中。
あんなに飛び跳ねて
あんなに脱走ばかりして
野球ボールをいくつも
持って帰ってきて
今は
ふと遠くを見てるね。
ああ、
きみが
お空に帰ったなら
うん、
約束したね。
よくきみを怒りながら
本当は大好きだった
きみがかわいくて
だから憎まれ口だった母と
いつか遅れて
私が空に帰ったら迎えに来て、と。
一日を
一瞬を
大切にして
わかってるよ、
きみは言うだろう
痩せて細くて
頼りなくなった体を
抱きしめて
きみのお母さんになれて
良かったよ。
桜、
来年も見たいな。
きみと。
感傷的な文章だわね、
お母さん。
あたし、眠くなっちゃった。
( ;´Д`)
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