レディデイ、梔子と愛と

道々に紫陽花を眺めていると
ふいに甘い香りがした。

クチナシ。

白く丸みを帯びたかわいい形の花。

その
強くて深い甘い香り。


クチナシといえば
(梔子 ガーデニア)

レディデイ
こと
ビリー・ホリデイ。
髪にクチナシを飾り
ステージに。



ビリーのうた、
誰もが奇妙な果実などの
情念の深さを思い浮かべるだろう。
しかし、
私は
ビリーの
ジャズヒットナンバーが好きだ。

アズタイム・ゴーズバイ、
オールオブミーなどの。


テンダリー

ビリーのうたは
私に優しくして、
と絹や白い羽に覆われたように。

不遇の生い立ちから
伝説のシンガーに。
苦悩に喘ぎ続け
召されるまで。

ビリーは何を思っていたのか。

クチナシの花言葉。

とても幸せ、喜びを選ぶ
優雅、清楚、洗練。

伝説のシンガー、
生きることとして神が与えた
才能、しかしその才能は
ビリーをクチナシの花言葉の
ようなその夢ではなかったのか。

ビリーは
ただ愛され優しくされ
自分も愛し優しくされたかった
のかもしれない。


レディデイ、
敬意を込めて。

透き通る青が愛に揺らめく場所から

澄み渡る青空、深き宵空、いつか回帰するまで。

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